グラスウール(短繊維)の安全性


 グラスウール(短繊維)は、欧米をはじめ日本でも半世紀以上にわたって、私たちの生活に密着したあらゆる分野で使用されてきていますが、その健康安全性については国際がん研究機関(IARC)でも認められています。

<グラスウール(短繊維)の安全性は、これまでグラスウール製品の製造や施工に従事してきた方がたへの大規模な健康追跡調査や動物実験を通して、世界中で実証されています。>


01|グラスウール(短繊維)と、アスベストの違いについて

アスベストは天然の結晶性鉱物繊維で、1ミクロン以下の極めて細い繊維の集合体(束)なので、容易にタテに割れて細くて長い繊維になり、肺の奥深く、肺胞にまで到達してしまいます。 生来持つタフさから体内の免疫機能に対する耐性が強く、また体内でさらに割れて細い繊維になり、肺胞等に刺さったまま排出されずに異物として生涯体内に留まり、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
一方、グラスウールは人工的に製造された非晶質繊維で、折れても繊維の太さが変わりませんので、肺奥まで到達しにくく、仮に到達しても体液に溶け易く、短期間で体外に排出されます。

グラスウールとアスベストは、生まれも育ちも性質も全く異なる赤の他人です。

グラスウールは、その原料の 85 %以上が板ガラスとかビンを粉砕したカレットで、それに厳選された組成調整用原料を加え再溶融・繊維化し、バインダー(繊維結合剤)を加えた工業製品です。 そのためグラスウールの原料にも製品にも、アスベストが混ざることはまったくありません。

アスベストは、地球の自然が造った極めて細かい繊維の束からなる結晶性の繊維状鉱物です。 鉱物をほぐすことにより繊維として取り出されます。 値段が安く、熱・火にも種々の薬品にも強く、また摩擦などにも優れた耐久性を持ち、まさしく万能の繊維であることから、車、設備、建築用途をはじめ種々の分野で広く用いられていました。 日本へは戦後経済復興と共に大量に輸入され、最盛期には年間 35 万トンにも達しました。

02グラスウール(短繊維)と体内への吸入について

<グラスウール(短繊維)>
折れても太さが変わらず、肺奥に到達しない

<アスベスト>
細く繊維状に裂け、肺に吸収されやすい

03グラスウール(短繊維)と発がん性について

通常の取り扱い作業では、がんをはじめとする呼吸器系の疾病を起こす危険性はまったくありません。また、通常の呼吸では、体内の防御・免疫機能の働きによって、発がん等の健康への影響にも心配はありません。
数多くの調査・研究において、人に対する発がん性を示す可能性が認められないことから、2001年10月に国際がん研究機関(IARC)は、IARCはグラスウールを含む人造鉱物繊維の発ガン性リスクを再評価し、<Group 3>に改正しました。
<Group 3>とは、 「ヒトに対して発がん性に分類されない」という評価で、ウレタンやスチレン等より上のランクで、ナイロンやお茶等と同レベルの高い安全性が証明されました。これは、事実上グラスウールの国際的な安全宣言と言えます。

※IARCモノグラフ2016年4月現在

04グラスウール(短繊維)と、皮膚のかゆみについて

グラスウール(短繊維)製品がチクチクするのは、直径4〜8ミクロンの繊維が皮膚にくっついて表面に物理的な刺激をあたえ、一過性のかゆみを感じさせるから。ウールのズボンやセーターが素肌に触れるとチクチクするのと同じ現象です。
不快な刺激を避けるためには、加工や施工作業の時皮膚をガードする手袋や長袖の着衣、保護メガネや帽子などを使用することをおすすめします。

05|グラスウール(短繊維)製品と、住宅の安全性について

グラスウール製品には飛散防止剤が入っています。一度施工されたグラスウールからの再飛散はほとんどありません。
実際に施工された住居やビルの環境測定でも、その濃度は戸外と同レベルの極めて少ない数値でした。
住宅の汚染化学物質としてホルムアルデヒド放散量が注目されています。合板や塗料、接着剤が放出するホルムアルデヒドに比べ、グラスウールからの発生量は極めて少なく、全て使用規制を受けない F ☆☆☆☆等級の製品ですので、室内環境への影響はありません。
グラスウール製品の4VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の放散量についても基準値以下であることが確認されています。

>> グラスファイバー(長繊維)の安全性についてはこちら
>> 欧州の健康問題についてはこちら
>> ガラス繊維の健康安全性の関する現状について(H27改訂版)はこちら

01
グラスウール
(短繊維)とは

短繊維の特長/断熱性/安全性/製造工程のご案内

02
住宅用
グラスウール

製品の種類/技術情報の ご案内

03
建築設備用
グラスウール

製品の種類/技術情報の ご案内

04
産業用
グラスウール

製品の種類のご案内


各種資料

各種施工マニュアル

各種設計・施工業者様向け施工マニュアルのご案内

パンフレットダウンロード

硝子繊維協会発行各種パンフレットのご案内

硝子繊維協会

〒169-0073
東京都新宿区百人町3丁目21番16号日本ガラス工業センタービル2

ご連絡先

TEL:03-5937-5763
FAX:03-5389-6757
Email:mail-gfa@glass-fiber.net

Copyright © Glass Fiber Association. All Rights Reserved.