グラスウールは内部に空気を多く含んだ繊維質素材のため、高い吸音性能を持っています。グラスウール断熱材を部屋の壁や天井、床に充填することで、外からの騒音を防いだり、室内の音を外へ漏らさないようにする防音性能を発揮します。
一方発泡プラスチック系断熱材は、吸音性がほとんどありません。
グラスウール断熱材と発泡プラスチック系断熱材の吸音性能を比べてみました(右図)。グラスウールは高い吸音性能がありますが、発泡プラスチック系断熱材は吸音性能が低いことが分かります。
(※吸音率が1.0に近いほど吸音性能が高い)
グラスウールは、家の中で発生する音の低減にも効果があります。間仕切壁にグラスウールを入れれば、隣の部屋からのテレビの音や話し声を軽減できます。1階と2階の間の天井にグラスウールを入れることで、上階での掃除機の音やモノを落とした音などを和らげることができます。
グラスウールを壁内部に挿入することで、住宅の遮音性がアップします。騒音を建物の中へ入れない、あるいは室内の音を外へ出さないためには、建物の遮音性能を高くする必要があります。
騒音の低減には、遮音性の高い材料と吸音性の高い材料の組み合わせが効果的です。例えば、コンクリートや石こうボードなどの重い材料は遮音性に優れていますが、それだけではトンネルの中にいるように音が反響してしまいます。しかしグラスウールのような吸音性に優れる材料と併用することで、この不快な反響音を抑えることができます。
また、建物の壁には中空パネル壁なども良く使われますが、この中空層にグラスウールを芯材として挟み込むと、全周波数帯域にわたって遮音性能を向上させることができます。このようにグラスウールは遮音補強としても有効です。
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