用語集
建築物の環境性能で評価し格付けする手法である。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムである。
ホルムアルデヒドを発散する可能性がある材料に付される、ホルムアルデヒド発散量を示す等級。発散レベルはJIS、JASまたは国土交通大臣認定により等級付けされ、「F☆☆☆☆〜☆☆」まで星の数でランク付けされる。星の数が多いほど発散量が少ないことを示す。 建築基準法により、ホルムアルデヒドを発散する材料はその放散レベルに応じて使用面積が制限される。なかでもF☆☆☆☆(フォースター)はもっとも発散レベルが低く、建築基準法の規制(使用面積の制限等)を受けることなく使用できる。
硝子繊維協会推奨のグラスウール認定製品に表示されるマークのこと。GWはグラスウールを表す。
世界保健機関(WHO)の外部組織で、化学物質、放射線やウイルスなどのさまざまな物質が持つ人に対する発がん性の高さを評価、公表している。 グラスウールは、2001年10月にフランスのリヨンで開催されたIARC(国際がん研究機関)による「発がん性分類評価会議」においても、コーヒーなどよりも安全性の高い「グループ3」に該当するものとして評価されている。
建築物の建設(資材製造を含む)から廃棄までのライフサイクルを通じて排出されるCO2の総量(=生涯排出量)のこと。運用段階のエネルギー消費により排出されるものだけでなく、製造・運搬、施工・廃棄にともなって排出されるCO2も含む。
Noise Reduction Coefficientの略で、250、500、1000、2000Hzの各周波数の吸音率の算術平均値のことを指します。
エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づいた事務所建物等の建築主の判断基準において規定されている建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置に関する指標で、年間熱負荷係数の略称です。建築物内部の単位床面積当りに生じる暖房負荷及び冷房負荷の1年間の合計(ペリメーターゾーンの顕熱負荷を用いることが通例)として定義され、この値が小さいほど、熱の損失が少ない建物といえます。
対象化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡又は、提供する際に、その化学物質の性状や取り扱いに関する情報を提供するためのもの。国際的には(GHS)や ISO1104-1 で標準化されている。
人間が利用するエネルギーのうち,変換加工する以前の,自然界に存在するもの。薪・木炭,石炭・石油・天然ガス,太陽放射・地熱・風力・水力,原子力など。
エコーとは、音源から出た音が壁などに反射して耳に到達する場合、直接音に対する反射音の時間の遅れが大きいため、直接音と分離して聞こえる現象をいいます。通常その時間遅れが1/20秒以上のときエコーとなります。
音を特徴づけているものは、時間特性と周波数特性です。純音は、時間波形でみるとsin関数あるいはcos関数で表される正弦波です。自然界に完全な正弦波は存在しませんが、複合音も分解すれば、純音成分の重ね合わせによって構成されています。周期複合音は、一定の波形が周期的に繰り返される音をさします。雑音(ノイズ)は、周期性が全くなく振幅もランダムに変化する音で、自然界で発生する音のほとんどはノイズに近いものです。パルス(衝撃音)は、現象がごく短い時間だけ生ずる音で、自然界にも極めて多くみられます。
音の伝わる速度で、温度の影響を受けます。摂氏温度をθとすると、
C≒331.5+0.61θ(m/sec)で求められます。
高温の環境で音を計測する場合は音速の変化を考えますが、常温(20℃、1気圧)の場合は、C=340m/secでよいとされています。
音波とは、広い意味では固体、液体、気体など媒質の中を伝わる疎密波のことをいいます。音波は、大気圧に微小な圧力変化が加わったとき、その方向に音の速度で進行します。ただし、進行するのは音のエネルギーであって、空気分子自体ではありません。すなわち、その場所の平均的な大気圧に微弱な交流的圧力変化が乗っている形です。この交流的変化を音圧と呼びます。
単位日射強度当たりの日射により建物内部で取得する熱量を冷房期間で平均し、外皮等面積の合計で除した値の事である。
屋根または天井、外壁、ドアなどの躯体から侵入する日射量と、窓ガラスから侵入する日射量の合計である総日射熱取得量を外皮面積で除したもの。
外皮平均熱貫流率は、住宅の断熱性能を表し、数値が小さいほど性能が高いことを表しています。
各部位から逃げる熱損失を合計し、外皮面積で割って求めます。
定義は、建物内外温度差を1℃としたときに、建物内部から外界へ逃げる単位時間あたりの熱量(換気による熱損失を除く)を、外皮等面積の合計で除した値の事である。
音響エネルギーが室内全体に均一に分布しており、どの点においても音の進行方向はあらゆる方向に一様である音場のことをいいます。それに対して境界の影響が無視できる音場を自由音場といいます。
聴力の正常な人で20Hzから20000Hzの範囲を聞くことが出来ます。
風にそよぎ木の葉が触れ合う微音から、耳が痛くなる位の大きな音が存在します。
ガラス製品をリサイクルする際に発生する破砕したガラスくずのこと。グラスウールの原料として使用されます。
右図に示すような壁体の音の強さEiの平面波が垂直に入射したとすると、一部は反射し、一部は壁体内で熱エネルギーとなって消滅し、一部は壁体内を透過します。
すなわち、Ei=Er +Ea +Et となります。
このとき、音の反射率rと吸音率α及び透過率τが次のように定義されます。
反射率 r=Er/Ei
吸音率 α=(Ei-Er)/Ei
透過率 τ=Et/Ei
吸音材の特性を示すときに、もっとも一般的に使用される値αで表されます。
ある面に入射する音の強さを(I)、反射する音の強さを(R)としたとき α=1−R/I
音源から離れると音は拡散して減衰します。これを距離(拡散)減衰と呼びます。屋外の距離減衰はこの他に塀などの回析減衰、空気吸収による減衰などがあります。
断熱効果を妨げる壁体内の空気の動きを止めるために行う措置で、床あるいは天井と外壁、間仕切り壁の取合い部分に施工する。乾燥木材や防湿・気密フィルム、あるいは袋入りグラスウールを二つ折りにして使用する。木材を使用した場合はファイアーストップとして防火上も有効。
遮音材料に入射する音波と、その材料面上を伝わる横波(屈曲波)とが一種の共鳴を起こすことにより、音が示される値よりも透過しやすくなり、質量則が成立しなくなる現象をコインシデンス効果と呼びます。
鉄骨造のように、躯体内の柱などに他の部分に比べて熱をよく伝える部材(※1)を用いた場合、その部分は熱的な弱点部(※2)となります。冬(夏)の場合は室内側のその部分に大幅な温度降下(温度上昇)が生じ、その部分をコールドブリッジ(ヒートブリッジ)と呼びます。
※1 例えば、鉄骨は木材の数百倍の熱を伝える。
※2 熱的な弱点部には、躯体内の断面形状が一様でない箇所も含む。
浮き床工法では構造上、緩衝材によって浮き床層と構造床および構造壁とが離れています。しかし、構造床および構造壁がコンクリートなどであり、加えて突起物などがあった場合、それを除去しないでおくとコンクリートと浮き床層が接触し、緩衝材による吸音緩衝効果が失われてしまいます。このような状態をサウンドブリッジと言います。
建築音響では、響き具合を残響時間で表します。残響時間とは、室内において音を出して定常状態になったときの任意の点でのエネルギー密度E0から、音を切断した後の音のエネルギー密度が10-6・E0(60dB)になるまでの時間をいいます。(60dB減衰するまでの時間)
残響室を用い、実際に使用する時と同じ構造の材料について測定した吸音率で、残響室内に試料を配置したときと空室の場合の吸音率の差から算出します。垂直入射吸音率が垂直に当った音に対し、残響室法吸音率では、あらゆる方向からの音に対する総合的な吸音率を言います。残響室法吸音率は、次の式によって求められます。
α=55.3V/CS(1/T1-1/T2)
α:残響室法吸音率
T1:試料を入れた状態における残響時間
T2:試料を入れない状態における残響時間
S:試料面積(㎡)
C:空気中の音速(m/sec) c=331.5+0.61θ
θ:空気の温度(℃)
V:体積(㎥)
通常、吸音材には音が垂直に入射することはなく、ランダムに入射します。グラスウールの吸音率の測定には垂直入射法吸音率ではなく残響室法吸音率を用いることが多いです。
残響室を用いて測定し、吸音室と同じくあらゆる方向の音の透過損失を示します。図のように残響室を2つならべ、その間に試料を置いて測定します。この透過損失は次の式によって求められます。
TL=L1-L2
10 log10S/A(dB)
TL:透過損失(dB)
L1:音源室 室内平均音圧レベル(dB)
L2:受音室 室内平均音圧レベル(dB)
S:試料面積(㎡)
A:受音側残響室吸音面積(㎡)
また、試料が単板のとき、
TL=TL0-10 log10(0.23 TL0)(dB)
TL0:垂直入射透過損失
すなわち、残響室法透過損失は垂直入射法透過損失よりも小さくなります。
新築住宅への入居などをきっかけに起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などのさまざまな健康被害の総称。 住宅建設や家具製造に利用される材料の接着剤や塗料などに含まれる、有機溶剤、木材の防腐剤などから発生する揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds= VOC)などが原因とされている。厚生労働省では、住宅内の空気質調査によって多く見られた物質を中心に、人体に対する影響を踏まえて13種類のVOCの濃度指針値を示している。
空気中の水蒸気の量を表す数値。湿度には、相対湿度と絶対湿度の2つがあり、一般的に湿度という場合には相対湿度をさしています。相対湿度は、実際に含まれている水蒸気量を飽和水蒸気量との比で表したもので%で表示されます。飽和水蒸気量は、温度が上がると増すため、湿度50%といっても、0℃と20℃のときでは、実際に含まれている水蒸気の量は20℃のときの方が多くなります。絶対湿度は、実際に含まれている水蒸気量のことで、水蒸気分圧(mmHg)や乾燥空気(水蒸気を除いた空気)1kgと共存する水蒸気重量(kg/kg・dryair)で表します。
新築住宅を供給する事業者に向けて、瑕疵に対する補修などが確実に行われるように保険への加入や供託を義務付けた法律。正式名称は「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」で、2009年10月1日以降に引き渡される新築住宅が適用対象となっている。
住宅事業建築主の判断基準※1(以下、本判断基準)は、建売戸建住宅を新築・販売する事業者(以下、住宅事業建築主)の方を対象とした基準です。
従来、住宅の省エネルギー性能については、住宅の外壁、窓等を通しての熱の損失を防止することを目的とした「住宅に係るエネルギーの合理化に関する建築主の判断基準」(以下、建築主の判断基準)を定め、全ての住宅の建築主に断熱構造化などの措置を努力義務として課し、住宅の省エネルギー性能向上の誘導を図ってきました。これにより新築される住宅の断熱性能は向上してきましたが、一方で、わが国における家庭部門のエネルギー消費量やそれに起因するCO2 排出量は依然増加傾向にあり、住宅の省エネ対策の一層の推進が求められています。
そこで、戸建住宅の仕様・性能を決定し、設計・新築し販売することを業とする住宅事業建築主に対し、自らが新築・販売する建売戸建住宅について、目指していただく省エネルギー性能を新たに定めたものが「住宅事業建築主の判断基準」です。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にて制定された任意制度で、消費者が良質な住宅を安心して取得できる市場を整備するためのもの。 構造の安全性、劣化の軽減度合い、温熱環境など10項目における設計・施工の性能表示における共通ルールを設け、等級によって具体的に明示したうえで、消費者がそれぞれの住宅性能について理解し、比較できるようにした。
また、住宅の性能に関する評価を客観的に行う第三者機関を整備し、評価結果の信頼性を確保している。
音が1秒間に振動する回数のこと。単位はHz(ヘルツ)を用い、周波数が大きいときは高い音、小さいときは低い音となります。
品確法における建物の断熱性能などの省エネルギー対策の度合いを示す等級。日本全国を断熱地域区分によって6地域に分け、等級1〜4で表示したもの。等級4は次世代省エネルギー基準、等級3は新省エネルギー基準、等級2は省エネルギー基準に適合している。
材料面に垂直に音が入射したときの吸音率です。測定時に材料が少量ですむこと、測定装置が比較的簡単なこと、測定精度がよいことなどの特長を持ち、材料の基礎的研究や品質管理、異なる材料の比較などにきわめて有効です。
壁の単位面積あたりの質量(面密度)が大きいほど(あるいは周波数の高い音ほど)、透過損失が大きく遮音効果が高いことを質量則と言います。通常、は質量則に近似するとされ、以下の式で求められます。
TL=18 log(f×M)−44
f:周波数(Hz)
M:面密度(kg/㎡)
住宅全体の隙間の総面積(cm2)を床面積(m2)で割った値で、気密性能を表す指標の一つ。略称「C値」。実際に建物にある隙間の総面積を調べるのではなく、建物を密閉した状態で強制的に送風機で空気を送り込み、どの程度空気が逃げるかを測定する(漏気量から隙間面積を推定していることから「相当」と表記)。なお、次世代省エネルギー基準では、地域区分に応じた隙間相当面積が定められていたが、現在は緩和されている。
建築物における一次エネルギー消費量を、建築物・設備の省エネ性能の向上、エネルギーの面的利用、オンサイトでの再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ又は概ねゼロとなる建築物。
騒音は「好ましくない音」の総称です。ない方がよいとされる音であり、すなわちうるさい音、聞きたくない音、生活のリズムに影響を及ぼす音をいいます。しかし、ある音が騒音とされるか否かは、受音者の環境条件や健康状態などにより大きく左右されます。従って、どのような音であっても騒音になる要因をもっていますが、受音者が少なからず好ましくない感情をひきおこす音を総称して騒音といいます。
騒音を時間的な変動性から大別すると、定常騒音、不規則にかつ大幅に変動する騒音、間欠騒音、衝撃騒音などに分けられます。騒音レベルの一般的な測定法はJIS Z 8731などに規定されています。
騒音を時間的な変動性から大別すると、定常騒音、不規則にかつ大幅に変動する騒音、間欠騒音、衝撃騒音などに分けられます。騒音レベルの一般的な測定法はJIS Z 8731などに規定されています外壁面や屋根面で吸収される日射熱量を温度に換算して、これに外気温を加えたものをいい、下の式で示されます。日射の当たる外壁や屋根を貫流する熱量を求める際に用います。
θe=as・I/αo+θa
θe:相当外気温度(℃)
I:外表面に当たる日射量
as:外表面の日射吸収率
αo:外表面熱伝達率
θa:外気温度(℃)
建築では従来熱伝導率が0.1(kcal/m・h・℃)以下のものを断熱材と称することが多く、畳と同程度か、あるいはそれより断熱性の良いものとされていました。しかし、現在断熱材といわれているものは、熱伝導率が0.05(kcal/m・h・℃)以下のものを指し、常温でその性能が十分に発揮できるものでなければなりません。現在、市販されている建築用(住宅用)断熱材は、無機系、有機系(発泡プラスチック)のものと木質繊維系のものとに分けることができます。
暖房する場合、日平均気温がある温度以下になったら暖房するものとし、暖房時の室温と日平均気温の差を暖房の必要な期間の全日について合計したものをいいます。例えば、「D18-12」等と表現され、これは外気温が12℃より下がった場合に18℃まで暖房する場合の暖房度日を表します。エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づく住宅の地域区分では、全国が「D18-18」の値によって6地区に区分けされています。
人間がやっと聞くことのできる音の強さW0(10-12watt/㎡)を基準にして、その何倍の音の強さであるかを示したもの。ある音の強さをW(watt/㎡)とすると、この音のデシベル値Lは、下式で示されます。
L=10log10 W/ W0 (㏈)
0㏈:10-12watt/㎡
30㏈:10-12+3=10-9watt/㎡
100㏈:10-12+10=10-12watt/㎡
音の強さが半分になれば3㏈下がり、1/10になれば10㏈下がります。
L1,L2, ・・・・・Ln㏈の和をLとすれば
L=10log10(10L1/10+10L2/10+・・・・・・・・+10Ln/10) となります。
波長に比べて寸法の小さい点と見なせる音源から出る音波は、球面上をなして広がります。
このような音波を球面波、音源を点音源と呼びます。現実にはこのような音源はありえなく、ある大きさを持っていますが、その大きさに比べて十分離れた場所においては、点音源と見なしてもよく、さらに音源から距離が十分離れると、音波は球面状から平面に近づいて伝わります。これも平面波と呼びます。
ある1つの遮音層において、その一面に入射する音の音圧レベルに対し透過する音(T)の音圧レベルがどれだけ低下するかを表す値の事です。 TL(Transmission Loss)で示します。
TL=10 log101/τ
単位:dB(デシベル)
τ:透過率
建築材料や防湿材の透湿性を表す数値。
水蒸気の透過しにくさを表す値。透湿抵抗が大きな素材は水蒸気を通しにくく、小さな素材は水蒸気を通しやすい性質を持つ。
水は通さず、湿気(水蒸気)を通す性質を持つシートで、住宅などにおける外装材下地として主に使用される。外装下地として防水材として機能すると共に、壁体内が高湿度状態になった場合、湿気の屋外への排出を妨げない。結露防止上、非常に重要な役割を持っている。
似たものに防湿気密シート(=フェーシング)があるが、役割は透湿防水シートと異なり、空気も湿気(水蒸気)も通さない性質を持っているため注意が必要である。
躯体内部で生じる結露で、材料内や積層間の低温部分に侵入した水蒸気を含む空気の温度が外気の温度より高いときに起こりうる現象。
この値は、風速0.05㎝/sec時にグラスウール製品厚さ1㎝当たりが持つ通気抵抗を表すものです。厚さ100㎜以下の平板音響材料に適用され、吸音率を推定する目安となります。流れ抵抗測定装置を用いて、試験片に定常気流を通し、その時の試験片の両面の静圧差(dyn/㎠)を測定します。測定値を次式に代入し、ある風速における流れ抵抗を求めます。風速を変え、数点測定し、作図により風速0.05m/sec時の値を求めます。
個体の壁を挟んだ両側の空間に温度差があるとき、高温の空間から低温の空間へ熱の貫流が生じます。この場合の貫流熱量は両空間間の温度差と伝熱面積に比例し、その比例係数に相当するものが熱貫流率です。単位はW/㎡・Kとなります。
※2009年4月1日に施行された改正省エネルギー法において熱貫流率を示す記号が「K値」から「U値」に変更されました。これは、熱貫流率を示す記号が国際的に「U」が使用されていることに対応したものです。
建物の保温性能を示すために用いられる重要な指標のひとつで、建物の内外の温度差が1℃のとき、ひとつの建物から1時間で失われる熱量の合計を延床面積で割った値のこと。この値が小さいほど断熱性能が高い建物といえます。単位はW/㎡・K。
天井、外壁、床等の構造体及び窓等開口部からの熱貫流による損失と、気積に換気回数と比熱をかけて求めた換気熱損失(顕熱分のみ)とを加えたものです。
熱の伝わりにくさを表す値。単位面積を通過する熱量はその両面の温度差に比例し、熱抵抗Rに反比例する。単一の物質からなる平板においては、その厚さd(m)および熱伝導率λから
R=d/λ(単位:m2・K/W)
によって求められます。
建物部位表面とそれに接する周辺気体(空気)間の熱の伝わりやすさを示す値であり、面積1〔㎡〕温度差1〔℃〕で1時間当りどれだけの熱量Q〔W〕を伝達するかを表す数値。通常、熱伝達率〔W/㎡・K〕は、αで表し、温度差が一定ならば、αの値が大きいほど建物部位に伝達される熱量は大きくなります。建築では、熱伝達率を室内用と外気用に分け、室内用は壁、床、天井に分けられ、外気用では外気風速によって分けて用いられています。熱伝達率の逆数を熱伝達抵抗といい、Ri、Ro〔㎡・K/W〕で表しています。
物体固有の熱物性値のこと。伝熱計算の基礎数値となる値で、熱定数で各種材料の伝わりやすさを示します。
建築分野ではλで示され、単位はW/m・Kとなります。材料の両側に1℃の温度差があるとき、1m厚の材料の中を時間あたりどのくらいの熱量が通過するかを表します。
比熱Cと質量Mの積により与えられ、ある物の温度を1℃上昇させるのに要する熱量を指します。建築において用いられる場合には、熱的特性の一要素として温度変化の緩やかさ、すなわち暖まりにくさ冷めにくさの度合いを示す指標として用いられます。一般に、コンクリート造・組積造建物(重構造と呼ばれる)の熱容量は大きく、木造、鉄骨造(軽構造)では小さくなります。
綿状のガラス繊維を成形するために用いる結合剤のこと。フェノール系樹脂が主成分。フェノール系樹脂は微量のホルムアルデヒドを含みますが、大半は製造工程で除去されるため健康上の問題はありません。また、ホルムアルデヒドを発生させないアクリル系樹脂を用いた製品もあります。
空間を伝わる電磁波や音波における、波形の山から山(もしくは谷から谷)までの距離を指します。波長λは、周波数f、音の速度Cを用いると次の式で表されます。
C=λ×f
窓ガラスや壁の内表面温度がその部屋の空気の露点以下になったときに起こる現象で、室内の空気中に存在する水蒸気が窓ガラス等の表面で凝縮して水滴となることをいいます。
正式名称は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」。
・良質な住宅を安心して取得できる
・万一トラブルが発生した場合でも紛争を速やかに処理できる
といった消費者保護の観点から、専門機関や住宅市場の条件整備と活性化を目的に設けられた法律で、次の3点が柱となっている。
1.新築住宅の基本構造部分における瑕疵担保責任期間(10年間)の義務化
2.さまざまな住宅の性能をわかりやすく表示する住宅性能表示制度の制定
3.トラブルを迅速に解決するための指定住宅紛争処理機関の整備
閉空間内の平均吸音率は、壁面、床面、天井面などの面積Siと吸音率αiから次の式によって決まります。
α=ΣSiα/ΣSi
湿気を吸収したり、透過するのを防ぐために、壁や床、天井に設けた不透湿性の層のことをいます。材料は、アスファルトルーフィング、アルミ箔等の金属板、アルミクラフト紙、アスファルトコートクラフト紙、ポリエチレンシート等が一般的です。通常、断熱材を使用するときは、断熱材の高温側に防湿層を施工します。
木造一戸建ての通気層工法の外壁などで、通気層に面した断熱材の内部に雨水や外気が侵入しないように設ける層のこと。通気性がなくて、防水性が高いと同時に、断熱材に含まれた湿度を排出できるように一定の透湿性を持つことが求められる。透湿性がないと断熱材に内部結露するおそれがある。通常は、透湿防水シート、シージングボード(軟質繊維板)等が使用される。
建築物の材料のうち、建築基準法施行令第108条の2で定める技術的基準に適合する不燃性を持つ材料を指す。建築物を準耐火構造や防火構造にする場合には、一定の部位に不燃材料を使用する必要がある。なお、グラスウールは平成12年建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」において、コンクリート及びレンガ等とともに例示されている。
ホルムアルデヒドは、普通に自然界(環境中)に存在する物質です。常温で無色透明の気体で、特徴的な臭気のある物質です。フェノール、メラミン、尿素などの物質と簡単に結合することから、この性質を利用して、工業的に合成樹脂の原料として使われています。 グラスウールの(結合剤)内のフェノール樹脂に含まれ、いわゆる原因物質の一つとされており、建築基準法によりホルムアルデヒドを放散する材料の使用制限が設けられている。
JISで定められた騒音計によって測定して得られる騒音レベル。耳の感覚は同じ強さの音でも周波数により違った大きさに聞こえます。(4KHzの音が最も大きく聞こえます。)そのため、騒音計には聴感補正回路がつけられており、こにれよって測定した値は耳の感覚によく対応します。
単位はホン、または㏈(A)
デシベルは音の強さを表わす物理量、ホンは耳の感覚に対応する騒音指標で、1000Hzの音に対しては、(ホン)=(デシベル)ですが、500Hzの音に対しては(ホン)<(デシベル)となります。
単位体積あたりの物質の質量をいい、単位は〔g/cm3、kg/m3〕で示されます。
グラスウールにおいては、1m3の体積中に使われているガラスの質量(重さ)をいいます。
[密度16kg/m3のグラスウール=1m3中に16kgのガラス繊維を含む]ということです。
グラスウール製品は16K、24Kなど「K」を用いて密度を表しています。
本認証制度は、製造販売する事業者が認証された製品に性能表示マークを表示し、その中で熱性能を熱抵抗値(R値)等を数字で表現するため、消費者が同じ尺度で異なる種類や事業者の断熱材の性能を比較できる制度です。性能区分表示ではなく数値表示なので、平成24年に改正された省エネルギー基準で必要となった一次エネルギー消費量の計算にも利用しやすいものとなっている。
また、今後の省エネルギー基準義務化に向けて、JISと並ぶ第三者認証制度であるため安心して製品を選択できる制度として期待が寄せられており、住宅・建築物の省エネルギー化を促進すると考えている。
一般に温度の高い空気は温度の低い空気より多くの水蒸気を含んでおり、そのため一定の水蒸気量を含む空気を等圧のもとで冷却していくと、ある温度で飽和状態になります。さらに冷却していくと水蒸気の一部が凝縮して露が生じるが、この水蒸気が凝縮する温度を露点温度といいます。
各種設計・施工業者様向け施工マニュアルのご案内
硝子繊維協会発行各種パンフレットのご案内