[企業情報]
本社:千葉県柏市箕輪91-2
代表者名:川村 俊男
事業内容:在来木造建築 設計 施工 リフォーム
TEL:04-7191-3377
ホームページ:http://www.shokokai.or.jp/12/1230517013/index.htm
マイスター認定者 2名
創業から約100年。千葉県柏市で四代にわたり地元の信頼を引き継いできた川村工務店の四代目となる若き棟梁、康晃氏にお話を伺った。
昔ながらの匠の技や生活の知恵を大切にしながらも、ここ数年こだわりつづけているのが高断熱・高気密住宅だという。
父とともに2008年にマイスター認定を取得。
さらにその上の新住協「Q1.0住宅」の普及にも意欲を燃やしている。
2008年認定取得 川村 康晃 様
大学卒業後、父の後を継いで大工になることを決意。現場で修業を積んでいるうちに、断熱材の施工方法に疑問が生じた。「これでは壁の中に空気の流れが発生し、寒さを防げないのではないか」と。
リフォーム時に壁を解体した際、内部の断熱材が黒く汚れていることがあるのも気になった。調べてみると、それらすべての現場で壁の中の空気の流れを防ぐ気流止めが施工されていなかった。
これがきっかけとなり、住宅の正しい断熱施工について学んでみたいと思った。マイスター認定制度にも興味を持ち、2008年に父とともに『施工講習会』に参加。揃ってマイスター認定を取得した。さらによりハイレベルな新住協の高断熱・高気密「Q1.0住宅」の施工技術も学び、断熱施工に強い自信と信念を持つようになったという。
「南関東以南の在来木造住宅では、断熱材がその性能を果たしきれていない実態がある。その原因は、"断熱材は入っていればいい"という程度にしか思っていない大工と、"木造住宅は寒いもの。多少のすきま風は我慢するしかない"と思っているお施主様がまだまだ多いことにある」と康晃氏は語る。
木造住宅でも寒くない家を建てられる。それには断熱性能を次世代省エネ基準レベル以上に上げていくことも大事だが、それ以上に断熱材の性能を最大限に引き出す正しい施工をすることが重要だという。
「最小限のコストで最大限の断熱性能を実現するために、高性能な断熱材をムダなく使って、細部まで納得のゆくきっちりとした断熱施工をやりたい。それには、裸品の高性能グラスウールが最も信頼性が高く扱いやすい」と康晃氏は言う。
グラスウールを選ぶ最大の理由は、収縮がない、経年変化に極めて強い断熱材だということ。床、壁、天井等の躯体の中に施工した断熱材は、大工といえども解体するまで見ることができない。断熱材が収縮すれば、断熱効果が半減するどころか、すき間が生じて結露の原因や住まいの耐久性にも影響する。
次は不燃であること。火災時の安全性を考えると断熱材は不燃でなければ安心できない。
さらに、吸音性があることも壁の中に入れる断熱材としては大きなメリットだと思う。
「新築もリフォームも、お施主様のニーズや予算あっての仕事だから、勝手に高断熱の家にする訳にはいかない。新築時はもちろん、耐震改修や床や壁を剥がす工事を必要とするリフォームの場合も、必ず断熱性能を上げることを提案している」と言いながらも、断熱のことにあまり関心のないお施主様に高断熱住宅や断熱改修を勧めるのは容易なことではないようだ。
最近の例では、介護が必要になった高齢者のいる家で、和室二間をワンルームに改修する際に、断熱改修を勧めた。当初半信半疑だったお施主様だったが、改修後は会うたびに感謝されているという。『以前とは全く違って、部屋がいつも暖かくて、足元も寒くないのがうれしい。家が暖かくなると、気持ちも明るくなるし、トイレに起きる回数も減り、体調もいい』とおばあちゃんが大喜びだそうだ。
「これからの高齢者住宅は目に見えるバリアフリーだけなく、温度のバリアフリーを考えることも重要。高断熱住宅は省エネや快適をつくる贅沢品ではなく、健康な毎日を過ごすための不可欠な条件になっていくと信じている」という若き棟梁の目標は"高断熱住宅なら川村工務店"といわれること。
我が社のマイスター紹介
2008年認定取得 川村工務店代表 川村 俊男 様
昔と今では、大工の仕事もずいぶん変わってきた。施工方法や材料も違う。伝統の技術にも新しい技術にもいい面、悪い面があるが、大工にとってこれまでやってきた施工方法を変えるのはなかなか勇気のいることだ。
ただ、変わらないこともある。地場の大工はお施主様の顔や暮らしと直接向き合って家づくりをする。だからこそお施主様との信頼関係や地域社会との密接なつきあいが大切になる。なんでも相談に応じられる大工でありたい。
そのためには、新しい技術や考え方も知っておかなければならない。
息子が住宅の断熱に取り組みはじめて、いろいろと話し合ってみて感じた。息子の勧めもあってマイスター認定試験にもチャレンジ。今では断熱施工の重要性を強く感じているし、私たちが施工した物件は、この南関東エリアでは誰にも負けない施工をしていると自負している。
ひとつの仕事が、ひとりのお施主様の満足が、次の仕事につながり、大きな信頼に育っていく。それだけは時代が変わっても変わらない。
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