グラスウール(短繊維)の特長/耐久性

1

耐久性

・築10〜26年を経過した4棟の建物からグラスウールを回収し、その熱抵抗値を測定しました。断熱性能(熱抵抗値)は施工当時の規格値を満足しており、長期間断熱性能が変らないことが分かりました。
・見た目が変化しても断熱性能が変化しない断熱材として認められました。

熱性能測定結果

採取グラスウール種類
(設計図書)
測定時点での
使用年数
熱性能(熱抵抗の値)
施工当時の規格値 測定結果
(㎡・h・℃)/kcal
新潟県H邸 高性能グラスウール16K100㎜ 16.5 2.9 3.1
長野県T邸 高性能グラスウール16K100㎜ 10.9 3.1
群馬県A邸 高性能グラスウール16K100㎜ 12.9 3.1
宮城県A邸 グラスウール10K50㎜ 26.8 1.2 1.2

※1:熱性能(熱抵抗の値)の単位は、従来単位換算値を掲載した。測定:JIS A1412-2保護熱板式熱流計法(HFM)平均温度25℃
※2:財)建材試験センター測定
上記測定の詳細は、硝子繊維協会「検証壁の中のグラスウール」をご参照ください。

硝子繊維協会では北方建築総合研究所と共同でグラスウール
の長期耐久性について研究しました。
研究の結果、高温高湿の状況に長期間曝された場合グラスウールの強度低下が見られましたが、熱伝導率に変化はなく断熱性能が保持されることが明らかになりました。
通常グラスウールの施工では、防湿層を設置しており、グラスウール内部が高湿状態になることはありません。
正しい施工をすることで長期間安心してお使いいただけます。

2

耐蟻性

グラスウールは、シロアリの食害に強い断熱材です。一方発泡プラスチック系断熱材はシロアリの食害を受けやすく、シロアリの食
害を受けると断熱材に隙間ができ、断熱性能の低下をまねくばかりか、住宅の耐久性も影響を及ぼす恐れがあります。

実験前 実験後 備考
グラスウール 蟻道はあるが食害なし
硬質ウレタンフォーム 周囲に大きく食害発生
押出法
ポリスチレンフォーム
周囲及び中心部に
大きく食害発生

※実験後の写真は、松材の木枠を取り除いて側面を撮影したものです。
[実験方法]
イエシロアリの職蟻500頭、兵蟻50頭を30℃の恒温機内に40日間飼育し、断熱材の食害状況を比べてみました。
グラスウールはシロアリの食害がみられませんが、発泡プラスチック系断熱材はシロアリの食害を大きく受けています。
なお断熱材の木枠には食害がありません。
出典:東京農業大学 断熱材のシロアリ食害試験報告

3

耐薬品性

グラスウールは耐薬品性に優れており、有機溶剤や酸等の化学薬品が付着しても性能変化はほとんどありません。なお、アルカリや
酸化剤等の一部の薬品には注意が必要です。

グラスウールの耐薬品性

薬品名 評価(常温)

評価法

室温にて48hr浸漬後の減量率で評価

E:EXCELLENT
減量率1%以下

 

G:GOOD
減量率1%~3%

P:POOR
減量率3%~5%

U:UNSATISFACTORY
減量率5%以上

無機酸 リン酸10% E
塩酸30% E
硫酸10% E
硫酸40% E
硫酸70% E
クロム酸10% G
硝酸5% P
有機酸 安息香酸 E
マレイン酸25% E
シュウ酸 E
酢酸10% E
アルカリ NH4OH10% U
KOH10% U
NaOH10% U
NaOH30% U
Na2CO330% P
有機溶剤 エタノール E
メタノール E
エチレングリコール E
ホルムアルデヒド G
アセトン E
メチルエチルケトン E
ベンゼン E
トルエン E
アニリン U
塩類 NaCl30% E
硫酸アルミ40% E
硫安40% E
塩安40% E
塩化銅30% E
硫酸銅30% E
酸化剤 二酸化塩素 U
過酸化水素10% U
次亜塩素酸ナトリウム U
臭素、フッ素 U

上記テストで減量率5%を越えるものは、グラスウールの引張り強度、圧縮強度、厚さ復元率等の性能が落ち、施工時問題となることがあります。グラスウールの本来の性能である断熱性、吸音性等は、5%程度の減量率ではほとんど損なわれません。

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