シックハウス対策

建築材料や家具等から発散される化学物質が人体に悪影響を及ぼしている、いわゆるシックハウス症候群問題に対応するために、建築材料や薬剤、換気などの規制や基準が建築基準法で明確に定められています。過去に実施されたJIS規格の改正について、詳細は下記の通りです。

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2003年 改正建築基準法の概要

1.改正建築基準法の施行時期 次世代省エネ木造住宅におけるグラスウール断熱工法の検討
2.規制対象となる化学物質 クロルピリホス(防蟻剤の一種)とホルムアルデヒドです。
(その他の化学物質は今回の規制対象には含まれていません。)
3.主な規制内容 (1)クロルピリホスを添加した建築材料の全面使用禁止
(2)ホルムアルデヒドを放散する建材についての使用制限
(換気設備の設置義務づけ、内装仕上げ材の使用面積制限、天井裏等の制限)
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規制の内容について

ホルムアルデヒドを放散する建材を使用する場合は、以下のような使用制限や措置が必要となります。

(但し、中央管理空気調和方式の建物ついては適用除外となります。)

 [1]内装仕上げ材料の使用制限

● 居室に使用するホルムアルデヒドを発散する建築材料については、居室の種類や換気回数 に応じて床面積に対する使用面積が制限されます。
● 下記の表のようにF☆☆☆☆については使用規制はありませんが、F☆☆☆やF☆☆については、床面積当たり何倍まで使用できるか、面積制限があります。
● F☆の材料は、内装仕上げ材としては使用することができません。

材料の等級区分 表示 放散速度
(μg/h・m²
使用可能面積
換気回数0.5回以上 換気回数0.7回以上
F☆☆☆☆ 5以下 規制なし 規制なし
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
F☆☆☆ 5超20以下 床面積の2倍まで 床面積の5倍まで
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
F☆☆ 20超120以下 床面積の0.3倍まで 床面積の0.8倍まで
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
F☆ 120超 使用不可 使用不可

 [2]換気設備の義務づけ

ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも(使用する建材がすべてF☆☆☆☆であっても)、家具からの発散があるため、原則としてすべての建築物に機械換気設備の設置が義務づけられ、換気回数の規定があります。

居  室 0.5回/h以上の機械換気が義務
上記以外 0.3回/h以上の機械換気が義務

※但し、伝統的家屋(土壁、真壁造で開口部がサッシでないもの)は適用除外となります。

 [3]天井裏の等の制限

天井裏については、下地材にホルムアルデヒドの発散が少ない建材を使用するか、機械換気設備を設置し天井裏等も換気できる構造にする必要があります。但しF☆☆☆以上の材料を使用する場合や気密層・通気止めで天井裏から居室内へ空気が流れ込まない構造であれば換気の必要はありません。

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ホルムアルデヒドに対する規制に伴うJISでの等級区分について

ホルムアルデヒドを放散する建材については、夏季(28℃)に材料の表面積1m²につき毎時放散されるホルムアルデヒド量に応じてJISでの等級区分がなされました。 表示方法は下記の表のようにFの後ろに☆印を付け、☆の数が多いほど発散量の少ない建材となります。

対応する規格 名称 表示 放散速度
(μg/h・m²
JIS、JASで検討中の上位規格 F☆☆☆☆ 5以下
JIS、JASのE0 (FC0) 第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆☆ 5超20以下
JIS、JASのE1 (FC1) 第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆ 20超120以下
JIS、JASのE2 (FC2)無等級 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆ 120超

なお、グラスウールのJISに関しては下記に規定されています。

住宅用人造鉱物繊維断熱材(JIS A 9521) F☆☆☆以上
吹込み用繊維質断熱材(JIS A 9523) F☆☆☆以上
人造鉱物繊保温材(JIS A 9504) F☆☆以上
吸音材料(JIS A 6301) 規定なし

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